太平洋戦争中にバングラデシュで亡くなった旧日本兵の遺骨収集が初めて2024年11月に実施される予定です。この収集活動は、イギリス軍の捕虜となり現地で死亡した日本兵の遺骨を対象に行われます。
太平洋戦争中、日本軍は「インパール作戦」の一環としてインド北東部の攻略を目指しましたが、多くの兵士がイギリス軍の捕虜となり、当時のバングラデシュ(当時は英領インド)の地に連行されました。その後、捕虜となった日本兵の一部が現地で命を落とし、長い間遺骨が手つかずのまま残されていました。
厚生労働省の現地調査によれば、バングラデシュ東部のコミラ県に旧日本兵43人の墓地が存在することが確認され、そのうち24人分の遺骨が埋葬されていることがわかりました。バングラデシュ政府からの遺骨収集許可が2024年7月に下りたことにより、遺骨収集が実現する見通しとなりました。今回の収集が実現すれば、バングラデシュでの遺骨収集は史上初の試みとなります。
日本戦没者遺骨収集推進協会は、これまでバングラデシュ国内の治安情勢の悪化や新型コロナウイルスの影響で収集が遅れていたことを説明しつつ、戦後80年近く経った今、遺族に遺骨を返還できることに大きな期待を寄せています。