ネパール総選挙に31万人超の治安部隊投入へ — 受刑者脱走や抗議行動への警戒強める

2025年11月19日

ネパール政府は、来年3月5日に予定されている衆議院選挙を安全に実施するため、13万人の臨時警察を含む約31万4,000人規模の治安要員を配備する方針を固めました。

内務省が発表した「統合治安計画-2025」によると、配備の内訳は以下の通りです。

ネパール軍: 約79,000人

ネパール警察: 72,000人

武装警察(APF): 33,000人

臨時警察(短期雇用): 130,000人

国家捜査局員

これらの部隊は11月26日から順次展開される予定です。軍の投入については、今後内閣の推薦を経て大統領の承認を得る手続きが進められます。

進む「治安リスク」への対策 内務省のアナンド・カフレ報道官は、今回の計画が2022年の選挙での教訓と、現在直面している新たな安全保障上の課題に基づいていると説明しました。特に、今年9月に発生した「Z世代(若年層)」による大規模な抗議活動の影響を強く考慮しています。

この抗議活動では公共財産が損害を受けただけでなく、全国28箇所の刑務所や少年矯正施設から合計1万4,043人の被拘禁者が脱走するという事態が発生しました。オム・プラカシュ・アリアル内務相の報告によると、現在も5,105人の受刑者が逃亡を続けており、選挙期間中の大きな懸念材料となっています。

衝突回避への厳戒態勢 政府が警戒している主な脅威には、以下の項目が含まれています。

逃亡中の受刑者による犯罪や妨害工作

抗議活動中に略奪された武器・弾薬の流出

議会の復職を求める勢力と反対派との衝突

政治指導者や幹部に対する安全保障上の脅威

これを受け、軍・警察・武装警察は先月から全国での共同パトロールを開始しました。選挙当日は、各地域を「高度に機密(危険度:高)」「機密(中)」「一般」の3段階に分類し、リスクに応じた柔軟な警備体制を敷く計画です。

今回の計画では、公務に不可欠な人員を除くほぼすべての治安当局者が選挙警備に動員されることになり、ネパール史上でも極めて厳重な監視下での選挙となる見通しです。