2025年10月16日
バングラデシュの首都ダッカで14日、大規模な縫製工場火災が発生し、少なくとも16人の死亡が確認された。火災は隣接する化学製品倉庫に引火して爆発を誘発。安全管理の不備が被害を深刻化させたとして、現地当局が厳しく追及している。

有毒ガスの充満と「閉ざされた避難路」
地元当局の発表によると、犠牲者の多くは、隣接する倉庫の爆発によって拡散した有毒ガスを吸い込んだことが死因とみられる。
さらに被害を拡大させたのが、工場のずさんな安全管理だ。火災発生当時、工場の屋上へ通じるドアが施錠されており、逃げ場を失った作業員が建物内で孤立した。この工場と倉庫のいずれも、基本的な防火対策を怠っていたことが判明している。現在も行方不明者の捜索が続いており、死者数はさらに増える恐れがある。
「世界の工場」が抱える根深いリスク
バングラデシュは世界有数の衣料品輸出拠点であり、多くのアパレルブランドが生産を委託している。しかし、これまでも劣悪な労働環境や安全基準の軽視が国際的に問題視されてきた。
今回の事故を受け、同国からの調達に依存するサプライチェーンの安全性が改めて問われている。特に東南アジア各地で軍事衝突や洪水による物流停滞が相次ぐ中、代替拠点としてのバングラデシュでの事故は、世界的な供給網へのさらなる打撃となる可能性がある。
