タイ政府、14億ドル規模の消費者補助策を閣議了承 ― 記録的洪水で停滞する景気の下支え狙う

2025年10月7日

タイ政府は7日、440億バーツ(約14億ドル)規模の消費者補助プログラム「共同支払い制度」の導入を決定した。記録的な洪水被害や周辺国との緊張による経済停滞を打破し、2025年の通年経済成長率2.2%超の達成を目指す。

消費支出を最大60%補助、年内は「毎週」刺激策を投入

エクニティ財務相が発表したこの「共同支払い制度」は、約2,000万人の国民を対象に、食品や消費財の購入費を最大60%補助するもの。実施期間は10月29日から12月31日までを予定している。

同相は「このプロジェクトは第4四半期の経済停滞を防ぐエンジンだ」と強調。年末にかけて毎週、追加の景気刺激策を連続して打ち出す方針を明らかにした。

総選挙を控え、景気回復が急務に

タイ経済は、南部での300年に一度といわれる大規模洪水や、カンボジアとの国境紛争による物流への悪影響など、複数のリスクに直面している。

また、アヌティン首相は来年1月末までの議会解散と、3月から4月にかけての総選挙実施の意向を表明している。政権としては、選挙前に国民の購買力を高め、昨年の成長率2.5%に迫る水準まで景気を底上げしたい考えだ。

市場は好感、株価は1.7%上昇

今回の発表を受け、同日のタイ主要株価指数(SET)は午後の取引で1.7%上昇した。政府は本施策の原資について、新たな借り入れを行わずに確保できるとしており、財政規律と景気浮揚の両立をアピールしている。