バングラデシュ 大洪水で700万人が被災 過去最悪の被害との見方も

2022年6月29日

国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は28日、バングラデシュで発生した大規模洪水により避難所や緊急支援が必要な被災者が700万人を超えたと報告した。洪水が始まった4月からの死者は両国で少なくとも207人と発表されている。援助機関からは、思い出せる限りで最悪の被害だとの見方が出ている。

過去最悪の洪水被害になるとの見方も

国境付近で浸水した民家は数十万世帯に上り、町全体が水没した例もある。バングラデシュ北東部のシレット管区は84%が浸水し、その中でも特にスナムガンジの町は約94%が水に浸かった。バングラデシュでは、IFRCの推計によると、720万人が支援を必要としている。

一方、インド北東部のバングラデシュ国境に位置するアッサム州では27万人が家を失ったとされる。IFRCはさらに30万人の被災者を支援するためとして、国際社会に780万ドルの資金援助を要請した。

バングラデシュの赤新月社は1000万ドル(約13億6000万円)の資金を投入して救援、復旧活動にあたっている。現地ではボランティアのチームが食料や飲料水を配布している。

国際的にも、多くの支援団体が被災地に到着し、被災者への救援を行っている。しかし、大規模な被害となっていることから、引き続き、国際社会からの支援が求められている。

バングラデシュは、熱帯気候であり、毎年6月から9月にかけて、季節風の影響により洪水が発生する。しかしながら、今年は特に大規模な洪水が発生し、多くの被害者が出ている。今後も気象条件によって被害が拡大する可能性があるため、注意が必要である。