2025年1月7日、中国チベット自治区のシガツェ市ティンリ県で強い地震が発生し、その影響はネパールにも及んだ。首都カトマンズやエベレストに近い山岳地帯でも揺れが観測され、市民の間で一時的な混乱が広がった。

ネパール国内の影響—市民の不安と備え
ネパールでは、2015年の大地震の記憶がまだ新しい。そのため、今回の揺れを感じた市民の多くは、直ちに屋外に避難した。カトマンズでは、多くの人々が建物の外に飛び出し、一部の学校やオフィスでは安全確認のため一時的な避難が行われた。エベレスト登山の拠点となるロブチェ周辺でも揺れが観測されており、登山者や地元住民の間で警戒が続いている。
日本との関わり—防災支援と協力の可能性
ネパールは過去に日本からの防災支援を受けてきた。特に2015年のネパール大地震の際には、日本政府やJICA(国際協力機構)をはじめとする日本の団体が救助活動や復興支援に貢献した。今回の地震を受け、ネパール国内でも日本の耐震技術や防災教育の重要性が改めて注目されている。
また、カトマンズには多くの日本人が滞在しており、地震発生時には日本人コミュニティの間でも情報共有が行われた。現時点では日本人の被害報告はないものの、在ネパール日本大使館も引き続き状況を注視している。
国境地帯の課題と今後の展望
今回の震源地であるシガツェ市ティンリ県は、ネパールとの国境に近い地域であり、地震活動が活発なエリアでもある。ネパール政府は、今後の余震への警戒を呼びかけるとともに、国境沿いの地震観測体制の強化を進める方針だ。
今後、日本の防災技術や経験を活かした国際協力が進むことで、ネパールの地震対策もさらに強化される可能性がある。ネパールと日本の防災連携がどのように発展していくのか、引き続き注目されるところだ。