タイ政府、観光客警備強化へ 中国人俳優拉致事件が契機

2025年1月18日

タイのペートンタン首相は、中国人俳優の拉致事件を受けて、観光客の安全確保に向けた警備強化を発表しました。この措置は、特に中国人観光客の信頼回復を目指したもので、観光業が経済に与える影響を考慮した対応です。

タイは観光業が経済の重要な柱であり、特に中国は最大の観光客市場となっています。首相は「観光業は我が国の主要な収入源であり、この分野に悪影響が及ばないようにするため、治安当局に観光客の警備レベルを強化するよう指示した」と述べました。

事件は、中国の俳優である王星さんがタイとミャンマーの国境地帯で一時行方不明となり、その後保護されたことがきっかけです。地元当局は王さんが人身売買の被害に遭った可能性を示唆しており、この事件が中国のソーシャルメディアで広まり、中国人観光客離れの懸念が高まっています。

しかし、ペートンタン首相は、中国からの観光客数が落ち込んでいないことを強調し、キャンセルはあるものの、依然として安定した状況であると報告しています。タイ政府は、引き続き観光業の安全性を強化し、観光客の信頼を回復させる方針です。