2022年7月15日
マヒンドラ・アンド・マヒンドラは、電気自動車(EV)増産のための将来的なバッテリーセル確保に向け、必要に応じて世界的な有力企業に投資することも検討していると発表した。同社はすでに英政府系ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメントから2億5000万ドルを調達しており、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)との提携も進めているが、将来的にはさらなるバッテリー需要に応えるための投資も視野に入れている。
同社のアニシュ・シャー最高経営責任者(CEO)はインタビューで、VWとの案件は短期的なバッテリー需要に対応するために十分であるとしつつ、「バッテリーの自社生産に入るつもりはない」と述べた。しかし、将来的な需要に対応するためには、バッテリー生産が得意な企業とのパートナーシップや投資が必要になる可能性があるという。
シャーCEOは「われわれがそうした会社を保有する必要もないし、経営する必要もない」とも語り、必要に応じて専門企業とのパートナーシップを模索していく姿勢を示した。
マヒンドラは今後数年で電動SUV(スポーツ用多目的車)5車種の導入を計画しており、2027年3月までには販売台数が約20万台に達し、同社の年間SUV販売の最大3割を占めることが見込まれている。
EV市場は今後急速に拡大が見込まれており、マヒンドラも積極的に市場参入を進めている。また、同社はエネルギー貯蔵装置などの事業も展開しており、電力分野でも注目を集めている。
今回の発表により、マヒンドラが将来的なバッテリーセル確保に向けた戦略を進めていくことが明らかになった。今後、同社がどのようなパートナーシップを模索していくのかに注目が集まる。
インドの自動車メーカー、マヒンドラ・アンド・マヒンドラがEV(電気自動車)市場への参入を進めている。同社は、トラクターや商用車を中心に事業を展開しており、EVにおいても国内での販売を行っている。以下、同社の概要について紹介する。
マヒンドラ・アンド・マヒンドラは、1945年に設立されたインドの自動車メーカーである。同社は、トラクターや商用車を中心に幅広い製品を手掛けており、主にインド国内での需要に応えている。また、農機具や二輪車などの事業も展開している。
同社が手掛けるEVにおいては、現在、主に商用車を中心に販売を行っている。具体的には、eSupro(電気商用車)やe-Alfa(電気三輪車)などを販売している。これらの車両は、主に都市部での移動手段として需要があるとされており、同社はこうした需要に応える形でEVの市場拡大に注力している。
さらに、同社はEVの開発にも取り組んでおり、2020年には新しいEV車種「eKUV100」を発表した。eKUV100は、小型SUVとして設計されており、最大走行距離150kmという性能を備えている。また、同社は今後もEV車種の拡充を進める方針を示しており、2025年までにはEVの販売比率を30%にする目標を掲げている。
EVの市場拡大に伴い、同社はバッテリーの供給にも注力している。2021年7月には、英国の政府系ファンドからEV向けバッテリーの生産に必要な資金を調達したことを発表した。この資金調達により、同社はEVのバッテリーセルを自社で生産することが可能になり、今後の市場拡大に向けた基盤づくりを進めることができるとみられる。