ユニクロがUNHCRと連携 バングラデシュの難民の支援

2022年11月15日

ファーストリテイリングは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携し、バングラデシュ・コックスバザールの難民キャンプにいる少数民族ロヒンギャ難民の女性を対象とした自立支援プロジェクトを開始する。プロジェクトは、難民キャンプで持続的な供給が必要な布ナプキンなどのアイテムを提供することを目的としている。同社は、2025年までに1,000人のロヒンギャ難民の女性に縫製トレーニングを行う予定だ。

バングラデシュに事業展開するファーストリテイリング

同社は、2006年からUNHCRと協力して難民支援に取り組んでおり、2011年には、難民問題の恒久的な解決に貢献するため、アジアの企業として初めてUNHCRとグローバルパートナーシップを締結し、世界中の難民に衣料支援を提供してきた。

新しいプロジェクトは、2022年9月時点で94万人いるロヒンギャ難民のうち、1人で生計を立てている女性たちを対象に縫製のスキルトレーニングを行うことを目的としている。トレーニングを修了した人たちは、有償ボランティアとして生理用品の生産に参加し、経済的な支援につながることが期待されている。

プロジェクトの最初の段階として、同社は2023年3月末までに250人の女性を対象にトレーニングを行い、77万点の生理用品を生産する予定である。初年度の予算は、UNHCRとのパートナーシップ合意に基づいて80万ドル(約1億1500万円)を計画している。

ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長は、プロジェクトについて、「バングラデシュにおける自立支援プロジェクトを通して、より多くの難民の日常生活の質の向上、経済的な自立の一助になることを目指す。

プロジェクトは、ロヒンギャ難民が大量に流入する以前から貧困が深刻な状況であったバングラデシュ南東部のコックスバザール地域で実施される。同地域は、ロヒンギャ難民の流入によりさらに人口密度が高まり、多くの人々が適切な生活環境を享受できていません。

ファーストリテイリングは、ファッションブランド「ユニクロ」をはじめとするアパレル事業を展開する企業である。同社は、地球規模の社会課題に取り組むことを目的として、様々な社会貢献活動を展開している。これまでにも、ファーストリテイリングは社会貢献活動として、衣料品の寄贈、海外における支援活動、災害支援などを行ってきた。

今回のプロジェクトは、ファーストリテイリングがUNHCRとの連携を開始した2006年以来の取り組みであり、同社が持続可能な社会貢献活動に取り組む一環として、難民の自立支援を行っている。同社は、地球規模での社会的責任を果たすために、今後も様々な社会貢献活動を展開していく予定である。