タイの9月輸出、前年比7.8%で予想上回る 中国向けは減少 

2022年10月27日

タイ商務省が発表した9月の輸出は前年同月比7.8%増と予想以上の増加となった。

タイ バンコク港 

ロイター通信がまとめたエコノミスト予想の4.20%を上回り、8月実績の7.5%から加速した。1-9月の輸出は前年比10.6%増であった。世界的な経済活動の活発化、供給問題の改善、バーツ下落が支援したが、中国への輸出は引き続き減少した。

中国向け輸出が減少したことを除いて、タイの輸出は健全に成長し、チュリン・ラクサナウィシット商務相は、通年の輸出は8%増に達し、伸び率は同省の目標の倍になると指摘した。

9月の輸出を品目別でみると、農産物・農工業品は前年比1.8%増、工業製品は9.4%増加した。国別では、対米輸出は前年比26.2%増加し、東南アジア向けは16.1%増加したが、中国向けは13.2%減少した。

一方、9月の輸入は15.6%増となり、予想の20.0%増を下回った。貿易収支は8億5300万ドルの赤字となり、予想は29億ドルの赤字だった。

タイの輸出において、中国は最も重要な相手国の1つであるため、その減少は深刻であるが、タイは他の市場を積極的に開拓している。同国の輸出はアジア全体に依存しているわけではない。アメリカなどの市場において、輸出は高い伸び率を示している。このため、タイは輸出市場を多角化することで、今後も輸出の伸びを維持することができると予想される。