インドの都市人口、数十年で爆発的増加へ 気候変動も影響、インフラ不足や大気汚染が深刻化

2022年12月25日

インドでは、都市人口が数十年間で急激に増加し、気候変動によって生活環境が悪化すると予想されている。ムンバイを含む各都市は人口増加に対応できず、国連の推計によると、2060年代には17億人のピークに達する。IEAは、2040年までに都市人口が2億7000万人増加することを予想し、それに伴い炭素排出量が増加することを指摘している。

巨大な人口にインフラが追いつかない 長距離列車に乗りきれない市民

住民の約40%はスラムに住んでおり、都市部ではインフラの未整備、大気や水の汚染、騒音などの社会問題がつきものである。インド政府の報告書によると、都心部の1日当たりの下水数十億リットルのうち約70%が未処理のまま排出されている。

英医学誌ランセット(Lancet)による研究によると、首都ニューデリーでは毎年冬に大気汚染によって早死者が増えており、2019年には1万7500人に達した。

インド政府は、都市化に対処するために、インフラの整備や公共交通機関の整備、環境保護政策の推進などを進めているが、問題はまだ解決していない。今後もインドの都市化が進むことが予想されるため、持続可能な都市化に向けた取り組みが必要である。

IEAとは、国際エネルギー機関(International Energy Agency)の略称であり、1974年に設立されたオーストリアの国際機関である。IEAは、エネルギー政策の分析や国際協力に関する政府間機関として知られており、現在では30か国以上が加盟している。IEAは、先進国におけるエネルギー政策の調査研究を行い、政策提言をすることで、世界のエネルギー市場に影響力を持っている。IEAは、石油、ガス、石炭、原子力、再生可能エネルギーなど、あらゆる種類のエネルギーに関する情報を提供しており、エネルギーの需要・供給、市場動向、環境問題などについてのレポートを発行している。また、IEAは、気候変動に関する課題にも取り組んでおり、再生可能エネルギーの普及促進や省エネ政策の提唱など、環境保護に貢献する活動も行っている。IEAの見解は、国際的なエネルギー政策に大きな影響を与えることがあり、世界的なエネルギー問題に対する解決策を模索する上で、重要な情報源の一つとなっている。