ネパール新首相 ダハル氏就任で対中傾斜強まる可能性

2022年12月27日

今年11月の下院選を経てネパールの新首相に任命された共産党毛沢東主義派(毛派)のプスパ・カマル・ダハル議長(68)が26日、首都カトマンズの大統領府で就任宣誓を行った。ダハル氏が首相に就くのは3度目。

カトマンズの大統領府で就任宣誓に臨むネパールのダハル新首相


毛派と、オリ元首相率いる統一共産党(UML)が次期連立政権の柱となる。2党はかつても合流し中国寄りの政策を展開。比較的インド寄りだったデウバ前政権と比べ、対中傾斜が強まる可能性がある。

ネパールの政治は、2つ大きな共産主義政党である毛派と統一共産党(UML)の影響下にある。これらの党派は、過去に中国寄りの政策を採用してきた。しかし、前政権であったデウバ政権は、比較的インド寄りの政策を採用しており、インドとの関係を重視してきた。

ダハル氏は、毛派が率いる連立政権を形成することで、対中傾斜が強まる可能性があるとの見方がある。UMLと毛派は以前にも合流しており、中国に対して強い関心を持っているとされている。また、ダハル氏自身も、中国との友好関係を強調しており、これまでのネパール政府とは異なる外交政策を採用する可能性がある。

中国は、南アジア地域でインドとの影響力を争っており、ネパールもその一角を占めている。ネパールは、中国とインドの国境に位置する戦略的に重要な場所であり、両国が南アジア地域における影響力を増大させるためには、ネパールとの関係を重視することが必要となる。

しかし、ダハル氏が対中傾斜を強める一方で、インドとの関係が悪化する可能性もある。ネパールは、インドとの関係が強固であるため、インドがネパールの内政に対して強い影響力を持っている。そのため、ダハル氏が中国に接近することで、インドとの対立が生じることが懸念されている。

プスパ・カマル・ダハル氏とは

ダハルは若い頃から政治に興味を持ち、学生運動に参加した。彼は共産主義の理念に共感し、ネパール共産党(毛沢東主義派)に加入した。彼はその後、党の最高指導者の1人となり、ネパールの政治的な変革を目指して活動した。

ダハル氏は、共産主義の理念を持っており、ネパールにおいて社会的平等を追求するため尽力している。彼はまた、インドや中国との友好関係を重視しており、ネパールの国際的地位を向上させるためにも尽力している。

ただし、ダハルは政治的な論争を巻き起こすこともある。彼の左翼的な政策には、保守的な勢力からの反発も根強いためである。また、ダハルは政治的な強権的手法を取ることもあり、国内外から批判を浴びることもある。

総じて言えることは、ダハルはネパールにおいて極めて影響力のある政治家であるということ。彼は常に社会正義を追求し、ネパールの発展に尽力している。彼が今後どのように活動するのかに注目が集まる。