2023年2月10日
バングラデシュ政府に対して、総額47億ドルの拡大クレジット・ファシリティー(Extended Credit Facility、ECF)と拡大信用供与(Extended Fund Facility、EFF)、強靭性・持続可能性ファシリティー(Resilience and Sustainability Facility、RSF)による融資が国際通貨基金(IMF)から承認された。この融資には、期間42カ月のECFとEFFによる33億ドルに加え、アジア初の14億ドルのRSFが含まれる。政府は、即時の4億7,600万ドルの融資金を受け取ることになる。
IMFは、新型コロナウイルス禍からの強靭な経済回復を見せたバングラデシュだが、ロシアのウクライナ侵攻により妨げられ、経常収支の悪化や外貨準備の減少などの課題に直面していると指摘した。今回の融資は、これらの課題に対応することに加え、長年にわたる構造的な課題にも対処することを目的としている。政府は、融資を通じて経済成長を加速し、民間投資を誘致することも期待している。
構造的な課題としては、歳入増に必要な税制などの行政改革、金融部門の脆弱性の改善、監視機能・ガバナンスの強化、資本市場の発展などが挙げられる。バングラデシュのムスタファ・カマル財務相は、IMFの融資決定は、バングラデシュのマクロ経済の基盤の強さの裏付けだと評価した。
今後は、これらの構造的な課題に対する政策の実施が注目される。IMFの融資承認により、バングラデシュ経済に対する投資家の信頼回復が期待され、政府が持続可能な経済成長を促進するための取り組みが支援されることになる。
これまでIMFはバングラデシュ政府に対して、多くの援助を提供してきた。
2016年4月、IMFはバングラデシュ政府に対して、15か月の延長クレジットファシリティ(ECF)を提供し、3億5300万ドルの資金を提供した。その後、IMFはバングラデシュに対して、さまざまな融資と支援を提供してきた。2022年2月には、IMFはバングラデシュ政府に対して、緊急融資プログラムを提供した。
これらの支援には、財政赤字の削減や税制改革、金融部門の改善、インフラストラクチャーの改善など、バングラデシュ政府が経済成長と持続可能性を実現するために必要な改革が含まれる。IMFは、これらの支援がバングラデシュの経済成長に大きく貢献することを期待される。
また、IMFは、COVID-19パンデミックがバングラデシュ経済に与える影響を軽減するため、バングラデシュ政府に対してCOVID-19に対する支援も提供している。この支援には、緊急融資、技術支援、政策アドバイス、および資金移転が含まれる。
IMFは、バングラデシュ政府に対して長期的なサポートを提供するとともに、バングラデシュが経済成長と持続可能性を実現するために必要な改革を実行するための支援を継続している。IMFとバングラデシュ政府の強い協力関係は、バングラデシュがより強く、持続可能な経済成長を達成するために不可欠だ。