ロヒンギャ難民船がインドネシアに相次ぎ漂着 バングラデシュ 

2023年1月4日

ミャンマーで実権を掌握した軍事政権が、ロヒンギャ族に対して攻撃を続ける中、多数のロヒンギャ族が隣国バングラデシュに避難している。しかし、バングラデシュの難民キャンプからよりよい環境、生活を求め、粗末な船で海路を脱出する事例が相次いでいる。

船で脱出してきたロヒンギャ難民

こうしたロヒンギャ難民の船は、マレーシアやインドネシアに漂着するケースが多く、両国では一応人道的見地や国連の要請に基づき難民を保護しているが、上陸後も収容施設で「軟禁」や「隔離」が続くなど厳しい状況が続いている。

12月25日、インドネシア・スマトラ島最北部にあるアチェ州ラドング村の海岸沖を1隻の木造船が漂流しているのを同村の漁民が発見し、海岸に手繰り寄せて乗っていた男性ばかり57人を救出した。

駆け付けた地元警察によると男性たちはミャンマー西部ラカイン州などに元々居住していたロヒンギャ族として捜査を始めた。その結果、57人はミャンマーからバングラデシュに避難し、国境に近いコックスバザールにある難民キャンプに収容されていた人々であることが所持していたIDカードや証言からわかったという。

彼らは11月28日にバングラデシュを木造船で出発、ベンガル湾、アンダマン海、マラッカ海峡を経由してマレーシアへの上陸を目指していた。しかし、途中でエンジンが故障して約1カ月の間海上を漂流し、アチェ州沖に到達したところで救助されたという。