タイ警官 中国人観光客にVIP待遇で調査へ

2023年1月28日

タイの警官が中国人観光客に対して、入国手続きを優先的に済ませ、ホテルまでのエスコートサービスを提供する「VIPサービス」の副業を行っていたことが明らかになった。女性が動画サイトに投稿したことが発端で判明したこの問題に対し、プラユット首相は不快感を表明し、関与した全警官の処分を指示した。

警備にあたるタイ警察

女性は、バンコク近郊のスワンナプーム国際空港で飛行機から降りた後、待っていた男性に連れられて並ばずに入国手続きを完了した。そして、到着ロビーの外で待機していた車に乗り、サイレンを鳴らす白バイ風のバイクに先導され、約120キロ離れたリゾート地パタヤのホテルに1時間で到着した。料金はバイクの先導が6,000バーツ(約23,700円)、車は7,000バーツとのこと。空港の入国手続きは時間によっては長蛇の列ができるため、このようなサービスは需要があると考えられる。

しかし、このような特別待遇は不公平だとの批判があり、ダムロンサック警察長官は事実関係の調査を開始したことを明らかにした。プラユット首相も、このような行為は許されないとして、関与した全警官の処分を指示した。また、中国人観光客に対する特別待遇が行われることで、他の観光客に対する待遇が悪化することも懸念される。

なお、この問題が明るみに出たことで、中国人観光客に対する警官の不正行為が問題視されるようになった。これまでにも、中国人観光客から現金を受け取って違法な行為を行う警官がいたり、不正な入国手続きを行う警官がいたりするなど、不正行為が相次いでいた。

この問題に対してタイのプラユット首相は、警官の行動について不快感を表明し、関与した全警官の処分を指示した。この問題が表面化してから、ダムロンサック警察長官は事実関係の調査を開始し、「警官による副業の実態を詳しく調べるよう命じた」とコメントした。

報道によれば、この女性は、バンコク近郊のスワンナプーム国際空港で飛行機から降りた後、待っていた男性に連れられて並ばずに入国手続きを完了させ、到着ロビーの外で待機していた車に乗り、バイクの先導で、約120キロ離れたリゾート地パタヤのホテルに1時間で到着したという。料金は、バイクの先導が6,000バーツ(約23,700円)、車は7,000バーツとなっている。

このようなVIPサービスがあることは知られていたが、警官が関わっていたことが問題視されている。警察による副業はタイでは禁止されているため、警官がVIPサービスの提供者として関わっていたことが判明して批判を浴びた。

一方、この問題が表面化する前から、中国人観光客への特別待遇は問題になっていた。これは、中国人観光客がタイで多額の金額を使っていることが背景にある。中国人観光客は、グルメや観光地巡り、ショッピング、エステなどで多額のお金を使っており、タイにとって重要な観光収入源となっている。

一方で、中国人観光客が行う迷惑行為に対する苦情も多く、過去にはタイの一部の地域で、中国人観光客による騒動が発生したことがある。このような状況から、タイでは、中国人観光客に対して特別な待遇を与えることにより、観光収入を増やし、かつ問題を抑制しようとする試みが行われているという。