カトマンズとネパール南部のニジャガードを結ぶ全長76 kmのカトマンズ-タライ高速道路で、重要な進展がありました。マカワンプール郡バカイヤ地方自治体に位置するデドレトンネル(1.653 km)が、突破口を迎えました。デドレトンネルの開通は、防衛大臣ハリ・プラサド・ウプレティ氏が立ち会いのもとで完了し、ネパール陸軍が報告しました。
デドレトンネルは、カトマンズ-タライ高速道路プロジェクトの一環として、ネパールの交通インフラを強化し、同国の南北を結ぶ交通アクセスを改善することで、国内外の移動がより効率的になることが期待されています。
このカトマンズ-タライ高速道路プロジェクトは、11 kmに及ぶ橋梁や6 kmにわたるトンネル構造を含み、複雑で技術的な挑戦を伴います。ネパール政府は、2017年にこの大規模プロジェクトを正式にネパール陸軍に委託し、陸軍は4年での完成を目指して建設を進めていますが、依然として進捗は33.99%に留まっています。陸軍総司令官プラブ・ラム・シャルマ氏は、完了までにはさらに数年が必要だと見積もっており、特にラリトプール地区での土地取得の遅れが、全体の進行を妨げているとしています。
カトマンズ-タライ高速道路とナグドゥンガトンネルの両プロジェクトが完了すれば、インドや中国との貿易ルートが改善され、国内輸送がスムーズになるだけでなく、日本を含む観光客にとってもアクセスが向上し、観光産業の発展にも寄与することが期待されています。特に、カトマンズとタライ地域を結ぶこの高速道路は、移動時間を大幅に短縮するため、国内の経済活動にも大きな影響を与えるでしょう。
今年の4月には、日本の支援によりカトマンズを西部地域と結ぶ主要なアクセスルートとして重要な役割を果たすナグドゥンガトンネルが貫通するなど、ネパール全土の交通が大幅に改善される見通しです。