在ネパール日本大使館によると、2024年4月15日、ネパールにおける初の山岳交通道路トンネルであるナグドゥンガトンネルが貫通し、全長2,688メートルの本坑の掘削作業が完了した。このトンネルは日本政府の支援を受けて建設されており、総事業費は220億ルピーを超え、その4分の3を日本が譲許性の高い借款で負担している。現場では日本企業がネパールの技術者や労働者と協力して工事を進め、ネパールの交通インフラの発展に寄与している。
ナグドゥンガトンネルの建設は2019年に始まり、ヒマラヤ山脈の複雑な地層を貫くことは非常に困難な挑戦だった。工事中には予期せぬ出水や崩落、さらに豪雨による土砂崩れや新型コロナウイルスの影響など、幾度も困難が発生した。しかし、日本企業はシンズリ道路建設などの経験を活かし、ネパールの技術者と共にこれらの課題を乗り越えた。
現在、トンネルの内装工事が進行中で、完成が近づいている。ナグドゥンガトンネルの開通によって、交通の利便性は飛躍的に向上し、カトマンズと南部地域を結ぶアクセスが格段に短縮される見込み。さらに、周辺地域の経済振興にも大きな影響をもたらし、ネパールの発展に寄与することが期待されている。
日本の支援により完成が見えてきたナグドゥンガトンネルは、ネパールの若い技術者に日本の高度な技術を伝える絶好の機会にもなっている。将来的には、これらの技術者がネパール国内のさらなるインフラ整備に貢献し、国の成長を支える力となることだろう。