ネパール豪雨による被害と緊急救援—新トンネルが果たした役割

2024年10月17日

ネパールでは先月末、記録的な豪雨が各地を襲い、土砂崩れや洪水によって200人以上が犠牲となり、大規模な被害が発生した。

特に首都カトマンズ近郊の山岳地帯では、大規模な土砂崩れによって道路が寸断され、100台以上の車両が立ち往生。一部の集落は孤立し、住民の救助が急務となった。

日本の支援による新トンネルが緊急避難路に

この地域では、日本の支援を受けて建設が進められていたナグドゥンガ・トンネルが存在している。本来、このトンネルは来年10月の正式開通を予定していたが、現地警察の要請を受け、緊急的に運用が開始された。

これにより、救援用のバスや救急車両が通行できるようになり、4000人以上の住民が安全な場所へ避難することが可能となった。

救助された住民たちの声

救援活動により助けられた住民の中には、未曽有の豪雨に不安を抱えていた人も多い。ある住民は、「再び土砂崩れが起きるのではないかと恐怖を感じていた」と語る。また、救助用のバスで安全な場所へ避難した別の住民は、「トンネルがなかったらどうなっていたかわからない」と安堵の表情を見せた。

日本の建設会社関係者も胸をなでおろす

トンネル建設を担当する日本の建設会社の現地出張所の責任者は、「立往生したバスには、子どもや赤ちゃんを抱えた母親も多く乗っていた。無事に避難できたことを心から嬉しく思う」
と語った。

今後の展望

今回、未完成ながらもトンネルが緊急避難路として機能し、多くの命が救われた。正式な運用開始に向けて、さらなる安全対策とインフラ整備の重要性が改めて浮き彫りになった。今後もこのトンネルが、ネパールの人々の安全と発展に大きく貢献していくことが期待される。