「危険」レベルの大気:ネパール首都、市民の命と経済活動の行方

2025年5月12日

カトマンズ、ネパール – ネパールの首都カトマンズが、深刻な大気汚染に見舞われています。本来なら市街を一望できるはずの観光名所「スカイ・ウオーク・タワー」から撮影された写真が、まるで「茶色の壁紙」のように視界が遮られていると話題です。この劣悪な視界は、単なる景観の問題にとどまらず、市民の健康と国の経済に深刻な影響を及ぼしています。

カトマンズ市内を一望できる観光名所「スカイ・ウオーク・タワー」の展望台

健康被害と医療機関の逼迫

今月3日に撮影されたした写真が示すように、カトマンズは厚い大気汚染に覆われています。現地報道によると、喘息や肺疾患などの呼吸器系疾患、皮膚疾患を訴える外来患者が急増し、医療機関はすでに逼迫状態にあります。

この大気汚染は、年間4万2000人もの死者を生み、国民の平均余命を4年以上も縮めていると推計されています。現地の大学病院の医師は、ANI通信の取材に対し、「たばこを吸わない人の2割が呼吸困難を伴う肺の病気を患い、ゆっくりと3割に近づいている」と警鐘を鳴らしています。また、世界遺産のダルバール広場を散策していた女子学生は、「家に帰ってクレンジングオイルで顔を洗うと大量のホコリが付いている。先日、ひどい咳と風邪で完全に寝込んだ」と、日常における深刻な影響を明かしています。

経済活動への影響と政府の課題

日本企業も進出するカトマンズでは、4日の大気汚染指数(AQI)が348に達し、「世界最悪」のレベルを記録しました。AQIが300を超えると「危険」とされ、健康被害のリスクが極めて高まります。

この視界不良は、飛行機の離発着にも影響を与え、度重なる遅延が発生しています。これにより、ネパール経済の生産性低下が懸念される「視界不良」の状態に陥っています。

大気汚染の主な原因は、廃棄物の焼却による煙、工場や住宅、自動車からの排気ガスとされています。ネパール政府は、製造から20年以上が経過した車両の使用禁止を打ち出しているものの、実際にはその規制が十分に履行されていないのが現状だと報じられています。