2025年3月28日
ネパール、ポカラ – 西部自動車販売協会(WADA)主催の「第1回ワダ・オートショー2025」が、ポカラのアマルシンチャウクで開催された。これはポカラで初となる大規模自動車展示会であり、首都カトマンズに次ぐネパール第2の自動車市場としてのポカラの地位を確固たるものとした。特に、電気自動車(EV)が会場の大部分を占め、未来のモビリティを強く印象づけた。

EVが彩る展示:内外ブランドの競演
オートショーには、19の四輪車ブランド、6の軽商用車ブランド、7の二輪車ブランドが出展。加えて、潤滑油、タイヤ、整備工場、自動車部品メーカー、金融機関など、20の関連ブースも並んだ。展示車両の大半はEVであり、BYD、エクスペン、カイ、ディーパル、ヒュンダイ、タタ、MG、スカイウェル、リダラ、セレス、オモダ、ゼコ、シトロン、ジカル、ナミ、キア、リップモーターといったEV専門ブランドが電動四輪車を披露した。
一方で、トヨタ、スズキ、キア、いすゞ、ニッサン、マヒンドラなどのガソリン車も展示された。ヒュンダイ、タタ、キアはEVとガソリン車の双方を販売。二輪車ではアサー、TVS、ヤマハ、バジャジ、トライアンフ、ロイヤルエンフィールドなどが注目を集め、カマ、ニューゴーナウ、スカイワース、ハイガー、東風といった軽商用車も展示され、その多様性を示した。会場では車両のスポット交換やローンサービスも提供され、購入検討者の利便性を高めた。
ポカラ市長が期待する地域経済の活性化
オートショーの開会式には、ポカラ首都圏首長のダンラジ・アチャルヤ氏が登壇。「ポカラが2025年に開港すると発表された今、このイベントは国内観光客誘致に重要な役割を果たすだろう」と述べ、地域経済への波及効果に強い期待を示した。
NADA中央会長のカラン・チャウダリー氏は、政府の政策が不安定な時期にもかかわらず、自動車業界が困難を乗り越えてきた現状を強調。NADA前会長のドゥルブ・タパ氏は、「カトマンズに次いで、ポカラは自動車関連の取引が最も多い場所だ」と述べ、「カトマンズ以外で開催される初のオートショーは、この地域にとって画期的な出来事となる」と、その歴史的意義を力説した。タパ氏はまた、自動車所有者、潜在顧客、そして一般市民の間で、この地域における自動車の売買や近代技術の発展への関心が高まっていることが、今回のオートショー開催の推進力となったと説明した。
このイベントは、ガンダキ州における車両および関連分野全体の開発、マーケティング、拡大に重要な役割を果たすと期待されている。
日本ブランドの存在感:ネパール市場における持続的影響力
今回の「ワダ・オートショー」においても、トヨタ、スズキ、いすゞ、ニッサン、ヤマハといった日本の自動車・二輪車ブランドが多数出展し、ネパール市場におけるその確固たる存在感を示した。これらは長年にわたりネパールの交通インフラを支え、消費者から高い信頼を得てきたブランドである。
EV化の波が押し寄せるネパールの自動車市場で、日本のメーカーが今後どのような戦略を展開していくか、また、ネパールの電動モビリティの発展にどのように貢献していくかは注目点だ。今回のオートショーは、ネパールが目指す持続可能な交通社会への移行と、それに伴う新たなビジネスチャンスを、日本企業も共有できる可能性を強く示唆している。
