エベレスト登山料、10年ぶり大幅値上げへ

2025年2月25日

カトマンズ、ネパール – 世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登山料が、ネパール政府によって10年ぶりに引き上げられることになった。この決定は、増加する登山者による登山道の過密状態の解消と、深刻化する環境汚染への歯止めをかけることを主な目的としている。

外国人登山料は62万円増、日本人にも影響

新たな料金体系では、9月以降、外国人登山者の登山料が現在の1万1000ドルから4000ドル(約62万円)値上げされ、**1万5000ドル(約230万円)**となる。自国民向けも同様に2倍の15万ネパール・ルピー(約17万円)に引き上げられる。

エベレスト登山は、目立った産業が少ないネパールにとって貴重な外貨獲得手段だ。昨年4月から5月の春シーズンには、日本人45人を含む合計421人に登山許可が下りており、この値上げは多くの外国人登山者、特に日本人登山者にも直接的な影響を与えることになる。

環境汚染対策が急務:排泄物持ち帰り義務化も

近年、エベレストでは、登山者が残したロープや酸素ボンベに加え、排泄物による汚染が大きな問題となっていた。これを受け、麓の自治体は昨年、登山者に対して排泄物の持ち帰りを義務付けるなど、環境保護への取り組みを強化している。今回の登山料値上げも、こうした環境負荷軽減の一環として位置づけられる。

日本との関係:登山を通じた交流と環境への意識

日本とネパールの間では、登山を通じて長年にわたる深い交流がある。多くの日本人登山家がエベレストの頂を目指し、その過程で現地のシェルパやガイドと協力関係を築いてきた。今回の登山料値上げは、日本人登山者にとっては費用負担増となるものの、エベレストの自然環境を守るための重要な一歩として理解される側面も持つだろう。

日本からも、ネパールの環境保全や持続可能な観光開発への支援がこれまでも行われており、この値上げがエベレストの環境改善に繋がり、より良い登山体験が提供されるよう、今後も両国間の連携が期待される。