ミャンマー大地震1カ月、20万人避難 人道危機深刻化、国際支援訴え

2025年5月2日

 2025年3月28日にミャンマー中部を襲ったマグニチュード7.7の大地震から1カ月以上が経過し、約20万人が避難生活を余儀なくされている。このうち約4万2000人が145カ所の仮設シェルターで生活しており、食料や清潔な水の不足、衛生状態の悪化が深刻化し、人道危機が拡大している。

壊滅的被害と支援の現状

地震は震源が浅く、主要都市ネピドーやマンダレー近郊で甚大な被害をもたらした。4月29日までに死者は3,798人、負傷者5,106人、行方不明者106人に達している。国連の報告によると、430万人が清潔な水と衛生設備を緊急に必要とし、子どもの栄養失調も懸念されている。

ASEANは迅速に支援体制を強化し、緊急評価チームの派遣や救援物資の動員を行った。中国、インド、米国、日本など多くの国々も支援の手を差し伸べている。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)はこれまでに約4万8000人に救援物資を提供した。

しかし、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)によると、復旧活動に必要な資金の確保は「期待をはるかに下回る」状況だ。UNHCRも必要資金の20%未満しか確保できておらず、国際社会に支援の強化を強く訴えている。

地震への備えの重要性

専門家は、ミャンマーを含むこの地域には活動的な断層が多数存在し、予測不可能な大規模地震が今後も発生しうると警告している。マンダレーやネピドーなど、多くの都市が軟弱な地盤に建設されており、液状化現象や地盤変形のリスクが高い。

地震への備えとして、住民への意識啓発、電力・水・通信網の脆弱性軽減、救助設備の投資、耐震基準の厳格化と既存建築物の補強、そして教育機関での防災訓練の実施が不可欠だと提言されている。